理念「わんぱくでいい」
ビジョン「おすそわけができる社会」
NPO法人Oneは「ナリタイジブンを叶えるチーム就労支援」を通じて、スタッフ・利用者
・チームのわんぱくな毎日をつくり、「おすそわけができる社会」をめざす
私たちが大事にしていること
当法人は「スタッフを大事にすること」を経緯として設立しています。
「ナリタイジブン(人生の目標や希望)」の実現をお手伝いするためにわたしたちはスタッフを大事にしています。
「スタッフを大事にする」とは、スタッフが「自分を表現できること」と「生活が安定していること」という2つと考えています。
「自分を表現できる」とは「萎縮せず、自分の考えや気持ちをオープンにできる」ということです。
より良い支援、また家庭との両立のためにも、風通しのよい職場環境を目指しています。
一人ひとりの意見が大事にされる会社だからこそ、時には異なる価値観や考えに接することで
「自分はこの会社にふさわしくないのではないか」と不安に思うスタッフもいます。
ですが、一人ひとりが異なること、「違っていい」し、「違うからいい」という考えを私たちは大切にしています。
今後も様々なスタッフの意見を取り入れ、働きやすい環境や新しい仕組みを常に模索していきます。
例えば、急にスタッフが抜けることがあったとしても、互いに補い合える職場にしています。
私たちの仕事は、「ナリタイジブン」を一緒に考えることです。
一人ひとりの「ナリタイ」のためにオーダーメイドの支援を心掛けています。
私たちの手札に利用者を合わせるのではありません。
まず一人ひとりの想いや言葉を聞き受け、一緒に動きます。
次第に進む支援のなかでその意図を想像し支援者から新しい方向を提案したり、必要であれば新しい支援者を迎えることもあります。
わたしたちの仕事は支援を通じて、その人のナリタイジブンを一緒に考えることです。
例えば、「働きたい」と言った利用者に対し、「毎日通所できるようになったら」ではなく、その場で企業に電話をかけます。
利用者と一緒に、利用者の気持ちを聞きながらかけます。
私たちは、その人らしい自立を目指します。
そのため、法人内でチームを作るだけでなく、一人一人違った機関や企業の方々ともチームを作ります。
実は一人で生きていける人間はいないのではないでしょうか。
ここを卒業しても、「なにかあったときにうまく使える」、「相談できる」、そんな関係や自立を目指しています。
つまり、「わんぱくでいい。」ということです。
当法人は2024年4月で10年目を迎えました。「スタッフを大事にする」を経緯にスタートし、おかげさまで多くの方に利用
していただき、うちを利用して就労された方は200人を超え、ナリタイジブンを叶える方もたくさんおられます。
私たちにも変化が起きました。当初いかに「目の前の困っている人たちのために就労支援をするか」だけを考えていた
私たちですが、多くの方の人生に触れさせていただき、様々な課題に取り組ませていただく中で「目の前の方を助けるた
めには、抽象度の高い社会課題にも目を向けアプローチしていかなくてはならない」との想いに至ったのです。
社会課題とは何か。それを考えるに当たり、北九州を拠点に長年ホームレス支援を行う、認定NPO法人抱樸さんに視
察に行きました。
抱樸さんは、「家族機能の社会化」を理念に活動されています。私たちなりに要約すると、現代社会は、以前の社会が
持っていたセーフティネットを失っているといいます。そのセーフティネットは、家族、企業、地域が担っていました。そのセ
ーフティネットは年々縮小し、孤独孤立対策推進法など、拡充する公的な制度の伸張ではカバーできないレベルとなって
います。そして大人もこどもも「助けて」といえない、孤独、孤立を生み出しています。それを抱樸さんは「家族機能を社会
化」することで、かつて持っていたセーフティネットをもう一度構築しよう‥とのことでした。視察先で目にした実践は圧倒
的なリアリティ。炊き出しに取り組むスタッフ、ボランティア、夜回りで出会う方々‥言語化しつくせない必要性がそこには
ありました。
私たちが支援させてもらった皆さんも、望んでいた就労はできたが、なぜか孤独。どう生きていけばいいでしょうか?と
の声が聞かれるようになっていました。「家と職場の往復。休みの日は疲れて寝るだけ」「この仕事は自分じゃなくてもい
い」「経済的に天井が見えてしまった」「自分はなぜ障害者なのか」これらの声に私たちは答えを出せていません。
抱樸さんの真似はできないし、それをそのまま私たちがやることはできません。しかし、ぽっかりと空いた社会の分断、
人と人との分断で苦しむ人たちに、私たちも私たちのやり方で手を差し伸べていかなければならない。そう強く実感したと
ころです。
そのための一歩として、私たちのやり方を言語化します。
それは「おすそわけができる社会」です。
この言葉を選んだ理由は3つです。
一、やれたらやる
ニ、わんぱくでいい
三、誰でもできる
一つ目の【やれたらやる】そもそもおすそわけは、「作りすぎたから」「余ったから」「食べてもらいたい」「シェアしたい」な
ど、「しなければならない」というような自己犠牲精神は含まれず、「やれたらやる、やりたくてやる」というある種軽やかな
言葉だと思います。「相手を大事に、自分も大事に」どちらかを犠牲にするのではなく、どちらも大事にしようとすることを
表現するのは、「スタッフを大事に」を経緯とするOneのこだわりです。
二つ目の【わんぱくでいい】これはOneの理念です。おすそわけは一定の豊かさがあります。ここでいう豊かさはまさに
わんぱくに含意されているといえます。「萎縮せず、自分を表現できること」「生活が安定していること」それらわんぱくさを
前提に、「おすそわけができる状態にあること」がとても重要だと考えています。
三つ目の【誰でもできる】おすそわけは一方的なものだけではありません。この前いただいたからお返しにおすそわけ。
おすそわけいただいたけど、うちでは食べ切れないからまたあちらにおすそわけ。双方向であり、多方向にも及ぶ可能
性があります。Oneの利用者は、当初はサービスの利用者として支えられる側でしたが、就労し、ナリタイジブンを叶える
中で、支える側になってきています。今現在苦しんでいる方の力になれる方々です。そのように、ある側面では支えられ
、ある側面では支える。それが社会の回し方ではないでしょうか。おすそわけには「誰でもできる」という可能性や期待も
込めています。
Oneは、これから「おすそわけができる社会」
をめざします。
特定非営利活動法人One
法人概要
法人名 | 特定非営利活動法人One |
代表者名 | 田村 操希 |
会社設立 | 2014年 |
所在地 | 〒710-0016 岡山県倉敷市中庄3523-1 |
連絡先 | e-Mail:npoone.hkt.gmail.com |